
「・・・・・・」

「・・・・・・」

「えっと・・・・」

「ダメよ、それ言ったら負けるわ」

「えっ、えっ?」

「まぁ、尺もあるから。言っちゃって良いよ・・・・」

「どうして私達、高知なんかに居るんですか・・・・・」

「全部、ハンドル握ってるバカのせいよ」

「すっごいハイテンションですよね。いつも出勤ギリギリまでお布団でうにょうにょしてる人とは思えません」

「心配しないで。夕方には死にかけになりながら運転してるから」

「それはそれで運転手的にマズイです」

「そこまで心配しなくても、いつもの事だから大丈夫よ」

「『いつも』って・・・・」

「そのうち嫌でも慣れるから。それよりも、ゆかりさん、状況説明を・・・・」

「あっ、はい。前の日の夜にマスターが『明日しかない、明日しかないんだ』とかブツブツ言ってるのを聞いて、ルカさんから用心しておくように言われました」

「うん。確かに言ったね」

「朝になって、起きたら何故かすぐに車に乗せられました」

「うん」

「高速道路をひたすら走って、着いたら、高知でした」

「うん」

「ちなみに、今回のお目当ては、桜、らしいんですが・・・・」

「うわぁ〜、きれいきれい。見事なまでの三分咲きよね〜」

「いくら南国高知でも、3月の半ばで桜満開はあり得ないですよね」

「時間的制約がキツかったとは言え、何たる無計画。何たる思い付き行動」

「折角なんで、お城だけ上ってみます?」

「そうね。ここまで来たんだし」


「ちなみに、城内は大してなにもなかったので、ばっさりリカットです」

「コラコラ、そんな事はっきり言わないの」

「でも、さっきマスターから『写真残ってないしそれくらい言っといて』ってカンペが・・・・」

「ダメ〜〜〜!! 次からは絶対にあのアホに従っちゃダメよ!」

「はっ、はい。気を付けます・・・・


「で、アホはどこ行った」

「なんか、『ウヒョー。5200のトイモードまぢサイコー!!!』とか言いながら上まで駆け上がっていきましたよ」

「アホだ・・・・、単純すぎる・・・・」


「でも、こう言う写り方、ミニチュアみたいで面白いですよね」

「まぁね」

「マスターも、色々撮り方とか、試行錯誤してる見たいですし」

「あとは、思い付きで動く癖を治してくれればそれで良いんだけど・・・・」

「治らないと思います」


「おぉ〜〜」

「ここは綺麗に咲いてますね。満開にはもう少しですけど」

「今回だと一番いい場所じゃない?」

「同感です。お城の石垣と桜。良いんじゃないでしょうか」

「来年は、もっと良い時期に来れるように、マスターに頑張ってもらおうね」

「そうですね。という事で、今回はコレでおしまいですか?」

「ん〜〜。実はちょっと、私が行きたい所があって、マスターに頼んであるんだよね〜♪」

「行きたい所ですか?」

「そそ、という事で、後編へ。もうちょっとだけ続きま〜す」
後編に続く・・・・・