
「マスターマスター」
「んー?」

「な〜んにも無いですよ。ここ・・・」
「う、、、う〜〜む」

「やっぱり『行けば何かある!!』なんていう計画に無理があったんですよ」
「さすがに・・・、これだけ歩き回っても何にも無いとは」
※この時点で2時間くらい歩き回ってます

「今からでも遅くないですよ。行き先変更しましょ」
「あ〜〜、う〜〜ん」

「ここから転進です。今から北陸の幸食べ放題〜マグロなんかがポロリもあるよ〜的な展開にですね……」
「う〜〜む。確かにこのままだとマズイわ……」

「ですから、ぐぐっ、と進路を日本海へ取って、主に私にマグロを……
「よし。分かった!!」

「マスター?」
「ほれルカさん、行くべよ」

「マスター。遂に日本海へ行って、マグロと戯れてくれるんですねっ!」
「ほれほれ、置いてくよ〜」

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!!」

「いやぁー、良かった良かった。朝イチ、地球博記念公園で何も無かったときは焦ったけど、意外と名古屋城がホントに近くて良かったよ〜」

「うぉーい!!」
「んんん??」

「私の意見は!? マグロの躍り食いは!?」
「お ち つ け。そんな事したら惨状が起きるぞ。ってか、躍り食いって、頭から行く気か?」

「だってだって! 私にはもうマグロしか見えないんですよー」
「まーまー。よく考えてみ? こっから日本海側って言ったら、時間も費用もかかりすぎてどう考えても無理ゲーだろ」

「海の幸ぃー。主にマグロ……」
「あー、ハイハイ。分かった分かった。今度、今度ね」

「絶対今度ですよ」
「うんうん。そのうち、そのうちな」

「さりげなく言い方変えないでください」
「チッ、バレテ〜ラ……」

「そんな子供相手の常套手段で騙されると、本気で思ってるんですか……」
「まぁまぁ。こっちもきっといい感じだからさ」

「ぶーぶー」
「さてさて、やってきたのは名古屋の中心部。まさに象徴みたいなモンですね。名古屋城」


「金の鯱でも有名ですね」
「ふっふっふー。少し予定は狂ったけど、ここから、ここからですよ。ガシガシ名古屋を攻めますよ」

「おー。久々にマスターが本気だー」
「攻める。攻めきる。その為には、名古屋と言えば!!」

「名古屋と言えば?」

「ひつまぶしでしょ」

「おぉぉぉ。マスター、コレウナギですよ。すっごい高いヤツですよ」
「そうッスよ。お値段驚きの\XXXX!」

「今日のマスターはいつもと違いますっ!」
「ふっふっふー。では早速……」

「マスターマスター、私のは?」
「え? ネェヨ?」

「はぁ!? 自分一人だけ食べるつもりですか!?」
「さっきまで『マグロしか見えない』とか言ってたじゃねぇか」

「それとこれとは、話が違いますっ」
「うっせーな。んじゃぁ、いただきまs」

「てやっ! 成敗!!」
「ごふっ……」

「さて、早速名古屋名物ひつまぶしを頂きましょうか〜♪」
「お、、、、俺のうなぎ……」

「先ずは少しだけお椀に移してそのまま。うわぁ、よそうだけで香ばしい匂いが広がります」
「痛い、痛い……。踵が鳩尾に……」

「次はだし汁と薬味で……。う〜〜ん。タレの味はしっかり残ってるのに、1杯目とガラッと変わってアッサリ。薬味のワサビも良いアクセントになってます」
「俺の……、俺のウナギが……」

「あ〜はいは。うるさいですよ〜。薬味の刻みのり一枚あげるから黙っててください」
「一枚とか……、しかも、落とすな……」

「何か下が騒がしいですけど、おいしさは抜群ですね〜。生きてて良かった〜。って言う感じになります。もうサイコー」


「いやぁ〜、すっごくおいしかったですね〜。で、次はここですか?」
「はい……、JR東海が運営するリニア鉄道博物館です」

「電車の博物館ですか?」
「そうね……。何か色々すごいらしいよー」

「すごい?」
「うんー。ヲイラも初めてだからよく知らないんだけど……」

「どうしました? マスター?」
「これは……、何とも……」

「ちょ、ちょっと、急に座り込んでどうしたんですか?」
「いやぁ……、コレはヤバイでしょ……」

「えっと……、コレは……、俺を殺しに来てる……」

「そんな大袈裟なー」
「いやいや、コレはヤバイよ。入って真正面コレとか、のっけから殺しに来てるでしょ」

「これ、中も乗れるんでしょうか?」
「ハイ……。乗れるみたいッス……」

「マスター。目が死んでますよ」
「いやいや、まさかここまでとは……」

「すっかりやられちゃってますね」


「それで、どうして数ある車両のなかでここへ?」
「ん? んー。簡単に言えば来たかった」

「食堂車……、ですよね? 外から見た感じ新幹線っぽかったですけど、新幹線にこんな場所ありましたっけ?」
「今は無いねー。昔はあったんだよね。具体的に言えばヲイラが小っちゃかった頃には」

「そうだったんですかー」
「夢だったんですよ。ちっちゃかった頃。ここでご飯食べるのが。いつかおっきくなったら、新幹線乗って、食堂車でご飯食べるんだって。おっきくなったら、無くなっちゃったけど」

「ナルホド……」

「さてと、ちょっと最初に予定が狂っちゃったときには焦ったけど、結果的には色々と見て回れて良かったんじゃないでしょうか」

「美味しい物も食べれましたしね」
「……。ヲイラ食ってないけどな」

「細かい事気にしてると嫌われますよ。マスター」
「細かくねぇよ! 高かったんだぞ」

「はいはい。分かってますよー」
「マッタク……。あー、そうそう。大切な事言い忘れてた」

「? 何ですか?」
「多分だけど、次回からパートナー変わるから」

「えぇぇっ。ちょっとそれ、聞いてませんよ。私、クビって事ですか!?
「あー、ちゃうちゃう。クビられるのはヲイラ」

「へっ?」
「多分だけどね、次回からヲイラは裏方に回って、ルカさんと、『とある人』の二人で進行してもらうから」

「は、はぁ……。なんでまた……。」
「色々とね。この茶番が精神的にキツイとか、だからって次回以降も、かなりの茶番なんだけど、とは言えこのまま行くよりは(ゴニョゴニョ」

「えっと、イマイチ状況が……」
「まーまー、一回やれば分かると思うよ。取り敢えず、今日は帰んべ。ほれほれ……」

「あっ、ちょっと。逃げないでくださいよ。『ある人』って誰ですか。ちょっとマスター!」
次回に続く・・・・・